シニアライフ研究所りあもでんな

ジェンダーびょうどう

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男女平等ではなくて、ジェンダーびょうどう?
ジェンダーって何?

この子はだーれ?

写真の子どもたちに名前をつけてください。

A

この子はだーれ?

名前

理由

B

この子はだーれ?

名前

理由

いかがですか?
平成元年生まれの赤ちゃんにつけられた名前ベスト3、男の子は、「翔太 拓也 健太」、女の子は、「愛 彩 美穂」でした。多少の変動はありますが、平成の間それぞれの名前はいつもベスト10に入っていました。(明治安田生命の生まれ年別の名前調査)

子どもへの名前には、親の「想い」がこめられ、漢字の持つ「意味」や「イメージ」などが反映されます。男の子には大きく羽ばたく「翔」や切りひらく「拓」健やかにそして太く生きてほしいと「健太」といった名前が多いです。女の子には、愛に満ちるように「愛」や彩り豊かにと「彩」が美しく稲の恵みに満ち溢れるようにと「美穂」など、こんな人になってほしい、こんな人生を歩んでほしいとの祈りがこめられます。

さて、皆さんは写真の子どもにどんな名前をつけられましたか?
実はこの二人、同じ子どもなのです。
男の子と女の子と思われたのは、服装や色使いや、公園か家の中かといった背景、木の枝かままごとやぬいぐるみかといった持ち物、そして元気でやんちゃそう、あるいはおとなしそうでやさしそうといった、それぞれの「記号」から男の子、女の子を判断したのではないでしょうか。

Gender(ジェンダー)とは、生まれながらにもっている生物学的なsex(性差)に対して、社会的・文化的につくられる性差のことをいいます。

「男性だから・女性だから→こうあるべき」姿として、それぞれが所属する社会や文化から規定されます。それは、服装や髪形などのファッションから、言葉遣い、職業選択、家庭や職場での役割や責任の分担にも及び、さらに、人々の心の在り方や、意識、考え方、コミュニケーションの仕方にまで反映されます。

LGBTの方もジェンダーや性別役割分業に違和感があると言います。LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。

あなたは、「女だから、男だからってなーんにも不自由していないよ」とおしゃるかもしれません・・・でも。

世界153カ国中121位の日本

世界経済フォーラム(WEF)が、各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report)2020」をもとに2019年版「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」を公表しました。日本は世界153カ国中121位、過去最低の順位でした。日本はG7の中で圧倒的に最下位。中国は106位、韓国は108位です。

同指数では、「ジェンダー間の経済的参加度および機会」「教育達成度」「健康と生存」「政治的エンパワーメント」の4種類の指標を基に格差を算定し、ランキング付けをします。
日本は中等教育(中学校・高校)、高等教育(大学・大学院)、労働所得、政治家・経営管理職、教授・専門職、国会議員数では、男女間に差が大きいとの評価で世界ランクがいずれも100位以下。その中でも、最も低いのが閣僚数で139位。国会議員数でも135位で、その他の項目でも50位以内に入った項目はありません。経済分野では、賃金格差が67位、労働力参加79位、所得108位といずれもかなりの低さです。

さらに国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに実施している「全国家庭動向調査」では、働く女性は増えていますが、女性に過大な家事負担がのしかかり、昼は仕事、夜は家事・育児の二重の勤務(セカンド・シフト)に就いていることが明らかになっています。
料理や掃除などの家事に充てる時間は、平日で夫37分に対して、妻は7倍の4時間23分。休日でも、夫1時間6分に対して、妻は約4倍の4時間44分です。女性のうち「常勤の勤務者」の家事時間(3時間7分)を比べてみても、夫の約5倍。政府は「女性活躍」を重要課題の一つとして掲げていますが、これほど負担が偏っていては、社会で思いきり活躍するにも限界があります。女性に対する暴力も根絶されてはいません。

男だから女だからではなく、誰もが個性や能力を活かし人間らしくイキイキと活躍できる社会を実現したいものです。